ちはやふるも!色彩に目を奪われるアニメランキング

1980年代までのアニメ作品は、セル職人とも呼ばれたアニメーターが、膨大な枚数になるセル画の一枚一枚に線や彩色を施して制作されていました。1990年代になると、一部の作品がデジタル制作を採用。次第に広まって、現在ではセル画によるアニメ作品は、ほぼ姿を消しました。アニメ作品のデジタル化が進んだのは、現場の省力化や合理化といった側面が大きいのですが、テレビ放送そのものがデジタル化していることから、セル画(アナログ)からデジタル情報への変換の過程で、セル画の線や色彩が必ずしもうまく再現されないといった事情もあるようです。

当初は、セル画による制作に比べると微妙な線や色彩といったところでクオリティーが低いともいわれたデジタル制作ですが、デジタル制作専門のアニメーターが次第に育ってきた現在では、それも過去の話。デジタル制作特有のキレが見られる絵を生かした作品はもちろん、全盛時代のセル画作品を思わせる美しい色彩が見られる作品もリリースされるようになっています。そこで今回は、「美しい色彩に目を奪われるアニメ」というお題で10代から40代の男女を対象にアンケート調査。結果をもとにランキング化してみました。

■質問内容

美しい色彩に目を奪われるアニメはどれですか。3つ以内でお選びください。

■調査結果

1位:ヴァイオレット・エヴァーガーデン 18.0%
2位:灰と幻想のグリムガル 11.0%
2位:ちはやふる 11.0%
4位:氷菓 9.0%
5位:凪のあすから 8.0%
5位:Fate/Zero 8.0%
5位:Fate/stay night [Unlimited Blade Works] 8.0%
5位:ユーリ!!! on ICE 8.0%
5位:中二病でも恋がしたい! 8.0%
5位:ノーゲーム・ノーライフ 8.0%

●1位 ヴァイオレット・エヴァーガーデン

ランキング1位には、「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」がランクインしました。

ヴァイオレット・エヴァーガーデンは、「涼宮ハルヒの憂鬱」「けいおん!」「らき☆すた」などの名作を手掛けてきた京都アニメーションの制作です。
彩度を抑えたセピア調の色彩が全編を彩る作品でした。

●2位 灰と幻想のグリムガル

ランキング2位には、「灰と幻想のグリムガル」が入っています。
灰と幻想のグリムガルは、「ソードアート・オンライン」などの大作に携わった金子敦史さんら3人にプロデューサーが率いるアニメ制作会社「A-1 Pictures」の作品で、彩度が高いカラーを使いながらも色数を抑えてクールにまとめた作風が高い評価を得たところがありそうです。

●同率2位 ちはやふる

同率2位には、「ちはやふる」が入りました。日テレ系の大手制作会社マッドハウスの作品です。
正統派ともいえる画風が特徴的な少女コミックを原作とする作品だけに、マゼンダやレッドといった色調が目を引く作品にまとまっています。

■セル画の伝統、健在か

上位にランクインした作品はいずれも、セル画作品の特徴として挙げられる「細い輪郭線」を採り入れています。

神業ともいわれていたセル画の伝統は、まだまだ息づいているのかもしれません。

 

 

HORANE調べ
2019年4月
調査対象:10~40代の男女

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