浅草寺を中心とした浅草は、東京観光で外せないスポットのひとつ。江戸の下町情緒あふれる浅草には、年中人でにぎわう雷門と仲見世通り、花やしきや浅草演芸ホールといった娯楽施設、東京三大祭の「浅草三社祭り」など見どころたっぷり。ここでは東京スカイツリーが開業して活気づく押上エリア、ものづくりの町として発展する蔵前を含めた浅草観光を100%楽しむために行く前に知っておきたい、見どころ、グルメ、お土産などを紹介します。
目次
浅草の歴史と今
● 大火を逃れ、江戸の姿を残す浅草寺
浅草寺は江戸時代に徳川家の祈願所となり、本堂は徳川三代将軍、家光により再建されました。そののち、幾度も江戸を襲った大火を逃れたことから浅草は江戸の空気を色濃く残す場所です。その浅草寺の発祥となったのが、駒形堂。推古36年(628年)に隅田川で漁をしていた檜前浜成と の兄弟の網にかかった小さな木像、聖観音像を祀ったのが、駒形堂の始まりです。
● 寺社の祭りは江戸庶民にとってのレジャーだった
毎年開催される浅草の「ほおずき市」は、旧暦7月10日、観世音菩薩の結縁日にちなんだもの。この日に浅草寺を参詣すると通常の参詣の「4万6000日分に相当する功徳が授かる」とされていたことから、江戸の人々はこぞって浅草寺へ参詣しました。寺社のお祭りは江戸庶民にとって気軽なレジャーだったようです。時代は変わっても、7月10日に浅草寺に詣でる人々の光景は変わらず続いています。
● インバウンドを魅了するイーストトーキョー
浅草エリアの大きな変化といえば2012年に開業した東京スカイツリー。周辺エリアの押上に2012年に開業した、東京スカイツリーと水族館も併設した商業施設・東京ソラマチタウンでは東京の旬を感じることができます。また、ものづくりの街・蔵前には、デザイン雑貨、革製品や紙の専門店など個性的なショップや外国人向けゲストハウスなどが集まり、「イーストトーキョー」として海外からも注目されています。
【浅草へのアクセス】
● 羽田空港から
・京浜急行エアポート快特で「浅草駅」下車(乗車時間36分)
● 東京駅から
・JR山手線内回りで「神田駅」下車、東京メトロ銀座線に乗り換えて「浅草駅」下車(乗車時間20分)
● 最寄駅
・都営地下鉄浅草線、東京メトロ銀座線「浅草駅」 ・東武鉄道伊勢崎線「浅草駅」
浅草を歩く
浅草寺(せんそうじ)
大きな赤い提灯がトレードマークの雷門から浅草寺へ続く仲見世は浅草の顔。年中多くの観光客でにぎわっています。甘味や和雑貨、Tシャツや着物などお土産屋さんをひやかしながらの参拝すれば観光気分が盛り上がります。あの人混みがちょっと苦手、という方は、東門(二天門)から浅草寺に入ると混雑を避けて参拝することができます。
浅草花やしき
浅草寺のすぐそばにある、日本最古の遊園地。大人から子どもまで昭和レトロな浅草を体感できる場所です。なかでも昭和28年に設置され、今なお現役のジェットコースターは、速度は42㎞/hとゆっくりですが、花やしきの外周を走り、ビルの間や迫る軒先などスリルが味わえると評判です。
浅草スマートボール・三松館
都内唯一!パチンコの原型と言われるスマートボールで遊べるお店が「三松館」です。13時にオープンとかかれていますが、だいたい14時をすぎるとてもユル~いスマートボールのお店。かなり古く、そして製造中止したスマートボールの構造を独学で学び、時々動かなくなった台の修理に奔走するおばちゃんも名物です。
浅草演芸ホール
1年365日落語と演芸(コント、漫談、紙切り、マジックなど)を楽しむことができる寄席(よせ)として1964年オープン。古今亭志ん朝、立川談志、三遊亭円楽など現在では名人と呼ばれる落語家が高座にあがり、人気を博しました。多くの芸人が10分程度の持ち時間で次々登場するので、観光のちょっとした時間にも楽します。
浅草顔出しパネル
観光地といえば「顔出しパネル」。浅草にあるユニークな顔出しパネルで記念撮影はいかがですか? 唄神、奏神、話神、踊神、演神、寅さん、神輿など、浅草演芸ホール前の通り、浅草六区ブロードウェイを中心に数多く点在しています。
煮込み通り
浅草名物・煮込み通り(別名:ホッピー通り)。通りに飲み屋が軒を連ね、テーブル席が道路にせり出す開放的な空間です。店先に並んだビールケース、明るいうちから飲んでいる楽しげな光景は、平和で庶民的な空気が漂います。
蛇笏湯(じゃこつゆ)
浅草寺から歩いて5分、国際通りから路地を入ったところにある「蛇骨湯」はなんと江戸時代から続いているという歴史ある銭湯。銭湯ですがお湯は黒褐色の「黒湯」と呼ばれる天然温泉です。古生代に埋もれた草や木の葉の成分が地下水に溶け込むことによりできた冷鉱泉で湯冷めしないのが特長。建物はリニューアルされており、清潔できれいです。
BANDAI本社
浅草駅から江戸通りを蔵前方面に500メートル程行った場所にある、玩具メーカー・バンダイの本社。本社脇の通りには、ドラえもんやアンパンマン、ウルトラマン、仮面ライダーなど人気キャラクターの等身大フィギュアが並ぶ、絶好の撮影スポットです。
隅田川テラス
花見や花火大会で知られ、浅草、佃島など東京東部の下町を流れる隅田川。川の両岸に整備された隅田川テラスはスカイツリーを眺めるのにぴったりなスポット。ジョギングしている人や音楽を奏でる人、のんびり座っておしゃべりする人など、ローカルも観光客も憩える場所です。
東京スカイツリー
2012年に開業した東京スカイツリーは、東京観光の人気スポット。都内のあちこちから姿をみることができますが、間近でみる迫力は格別です。天望デッキ(350m)と天望回廊(450m)のふたつの展望台があり、どちらからも晴天の日には富士山が望める。週末や休日は混雑しますが、チケットをHPから事前予約すれば、スムーズに入場できます。スカイツリーの下にはオフィスビル、商業施設、すみだ水族館が併設された東京ソラマチが広がり、周辺の押上エリアには活気ある商店街があり街歩きも楽しい。
浅草文化観光センターを活用しよう!
雷門の向かいにある、ひときわ目を引くモダンなビルが浅草文化観光センター。4か国語での案内対応や無料Wi-Fi・AC電源、外貨両替所、多目的トイレ、カフェがあり、観光客には嬉しいサービスを提供しています。なかでも8階の展望フロアは、浅草寺と仲見世、スカイツリーが望めるビュースポット。もちろん無料です。
浅草で食べる
駒形どぜう 本店
まるで映画のセットのような「駒形どぜう 本店」。江戸時代から続くどぜう(どじょう)料理店。まったく臭みや泥臭さのない絶品のどぜうがいただけます。江戸の人たちも舌鼓を打ったどぜう鍋で、江戸の風情を感じてみては?
浩司(煮込み通り)
通りにまでせり出したテーブル、お酒を楽しむ陽気な人々の笑い声。浅草の名所・煮込み通り(ホッピー通り)のちょうど真ん中にある「浩司」は、界隈で人気のお店。看板メニューの「牛すじ煮込み」は醤油ベースでかなり濃いですが、お酒にぴったり。軽く一杯ひっかければ、浅草観光気分が盛りあがります。
鈴芳(煮込み通り)
煮込み通りの中ほどにある「鈴芳」は、店頭にテラス席、店内には大きなコの字のカウンターがあり、煮込み通りでもひときわにぎやかなお店。ニンニクの効いた「牛すじ煮込み」は、ホッピーとの相性抜群。
水口食堂
浅草にあるまさに下町食堂といった佇まいの「水口食堂」。1950年に浅草六区で営業をはじめ、地元や観光客から安定した人気の食堂。たくさん食べたいとき、一杯飲みたいとき、どんなときにも寄りそう料理が自慢のお店です。
そば処かみむら/押上
スカイツリーから目と鼻の先、おしなり商店街の入り口にある「そば処かみむら」はタワー丼で人気のお店。土日ともなると行列ができる。が、並んででも食べたいのが、スカイツリーを模した大きな天丼、タワー丼(1800円)。お蕎麦や丼物のメニューも充実しています。
江戸味楽茶屋そらまち亭/押上
東京ソラマチのイーストヤードの7階にある、江戸甘味噌をふんだんに使用したオリジナルメニューが楽しめる和食料理店。ここのお店の魅力は「雲の上寄席」。食事と一緒に、1日2回、18時30分と20時30分の2回公演で、落語が楽しめます。
ビストロカンパーニュ/蔵前
赤いテントが目を引く、パリの下町にあるようなかわいいビストロ。有機野菜にこだわったボリューム満点のフランス家庭料理がいただけます。ランチでの人気はワンプレートランチ(1080円)。
梅園 本店
仲見世からすぐの場所にある甘味の老舗「梅園」。百貨店や駅ビルにお店が入っていますが、浅草にきたなら本店で味わいたい。梅園の代名詞「あわしるこ」(777円)は、しるこ、といっても液状ではなく、餅きびにこしあんがたっぷりと載せられています。永井荷風の小説「踊り子」にも登場する味を堪能してみて。
珈琲 天国
フカフカでおいしいホットケーキが人気の「珈琲 天国」。ホットケーキや、パンに押された「天国」の焼き印がなんとも愛らしい。ふっくらと美しく焼かれたホットケーキに、メープルシロップをたっぷりとかけて。歩き疲れも吹き飛ぶ逸品です。
CAFE MEURSAULT(ムルソー)
昼間のイメージが強い浅草ですが、夜は浅草寺やスカイツリーがライトアップされ神秘的です。隅田川とスカイツリーが望める抜群のロケーションを誇るリバーサイドカフェ「CAFE MEURSAULT」。1980年代から浅草で親しまれる老舗カフェでナイトタイムの浅草とオリジナルキッシュを楽しんで。
さくらCafé
スカイツリーのそばにある、63.4cmあるスカイツリーパフェ(1800円)が名物のお店。抹茶テイストとベリーテイストの2つから選べます。見事な飴細工のタワーはぱりぱりと食感が楽しく、パフェのソフトクリームと一緒に食べるとさらにおいしい。こじんまりしていますが、落ち着けるお店です。
浅草で買う
食品サンプル東京美研
昭和33年創業の食品サンプルのお店、「食品サンプル東京美研」。巧みな技で作られた精巧なサンプルは、外国人旅行者からも大人気。寿司やケーキなど小さなものからカレーライスやエビチリまで、本物以上に本物らしく、見ているだけでも楽しい。
亀十
浅草の手土産、お土産の代表選手、「亀十」のどら焼き。お店は行列が絶えません。まるでパンケーキのような独特の食感は感動もの。中のあんこは、こしあんと白あんの2種類。ひとつ325円と決して安くはありませんが、サイズも大きく食べ応え十分。
やげん堀 七味唐辛子本舗
仲見世通り商店街にある「やげん堀 七味唐辛子本舗」は創業から389年、七味ひとすじの専門店。日本三大七味に数えられるお店です。七味唐辛子には「大辛、中辛、小辛」(各30g 540円)があります。ちなみに七味とは、「黒胡麻、陳皮(みかんの皮)、一味唐辛子(焼)、一味唐辛子(赤)、山椒、麻の味、けしの実」。生唐辛子と焙煎唐辛子のふたつが入っているのがこちらの特長。お好みで味のブレンドを変更できます。
雷5656茶屋
浅草寺、五重塔の西側にある「雷5656茶屋」は、浅草名物・雷おこしやお土産の販売をしているお店。座敷もあり、広々とした店内で食事や甘味も楽しめます。雷おこしの製造体験(ひとり2000円)もできます。
かまわぬ浅草店
浅草オレンジ通り商店街にある、ギャラリーのような「かまわぬ浅草店」。写真の図案で「かまわぬ」と読みます。かまわぬと言えば、てぬぐい専門店ですが、ここは約200種類のてぬぐいと、国内外の生活雑貨がセレクトされており、センスの良いものに出会えます。
コンセント/蔵前
2012年にオープンし、すっかり蔵前の顔になりつつあるアイディア雑貨の「コンセント(KONCENT)」。クレヨンやうちわ、お祝儀袋、風船など日用雑貨にデザインが加わることで、はっと驚く新しい価値を生む雑貨が集まるユニークなお店です。
エムピウ/蔵前
蔵前にある革専門雑貨「エムピウ」は、「日常のシンプルな動作によりそう機能性」を追求した、植物タンニンでなめした天然皮革が持ち味のお店。開業当初から一番人気のアイテムは、革財布。手に取れば、柔らかい革と機能性の高さに、人気の理由を納得できる。
カキモリ/蔵前
万年筆やボールペン、オーダーノートを扱う文具専門店。おすすめはノートの表紙、裏表紙、中紙、リングの色、留め具など各パーツを自分で選んで、10分ほどでできるオーダーノート。世界にひとつだけの文具に思い入れもひとしおです。
キムラヤ/押上
業平にある「キムラヤ」は、昔ながらの町のパン屋さん。こちらでおすすめなのが、おしなり商店街のご当地キャラクターをかたどった「おしなりくんのパン」。かわいらしいだけでなく、中身の自家製カスタードクリームがおいしい!
元祖食品サンプル屋/東京ソラマチ
創業80年の老舗サンプル会社が展開する食品サンプルのショップ。お土産におすすめしたい一品です。おすすめは、自分でつくる食品サンプルキット!メロンフロートや、コーヒーフロートが人気です。作り方も丁寧に乗っているので失敗なくサンプル作りが楽しめます。
いかがだったでしょうか。東京の観光スポット・浅草エリアには訪れてみたいもの、体験してみたいものがたくさんあります。デカケル.JPでは他にも魅力的な東京のおでかけコースをご紹介しています。観光の参考にしてください。