知る人ぞ知る、東京タワーの絶景ポイント「増上寺」。日本人なら東京タワーは誰でも知っているけれど、この増上寺を知っている人はあまりいないんだよ、なんてしたり顔で説明してみる。ホントは案内するにあたって事前に友達にアドバイスしてもらったり、ネットでリサーチしてきたんだけどね…。でも絶景に見とれている彼を見ていると、連れてきてよかったなあと素直に思えた。

夜のお寺を散歩しながら、2人で色々なことを話す。家族のことや仕事のこと、学生時代のこと。今はすっかり真面目な彼の、意外とチャラかった過去が判明したりと(笑)、会話は尽きない。人見知りする私だけれども、彼といると不思議とリラックスして話せる。それは元々友達だったことも大きいんだろうけど、彼の誠実そうな人柄に安心できるからなんだろうなあ。そして恐らくお互いが一番気になっているであろう、好きなタイプの話になった。「俺はちょっと抜けてて色白な子が好きだな。みるくちゃんも色白いよね(笑)」これは私へのアピール？それともからかっているの？

彼「どんなタイプが好きなの？」私「…」ここで彼っぽい特徴（真面目で優しい）を言ったほうがいいことは、頭ではわかる。なのに、ついつい素直になれないのがオクテ女子の悪い癖。「尊敬できる人かな」彼に当てはまるような当てはまらないような微妙な答え。内心しまったと思った私に彼はこう言ってくれた。「尊敬できる人か…、よし、俺みるくちゃんに尊敬されるように頑張ろう」！！！その瞬間確信した――私はこの人が好き！

東京タワー内のパワースポット「タワー大神宮」。23区で1番高いところにあるこの神社は、何かを高くしたい人に御利益があるのだとか。心のなかで「彼の私への気持ちがもっともっと高まりますように」と唱える。彼「何お願いしたの？」私「…ないしょ」彼「教えてよ～」私「そういう自分は何お願いしたのよ？」彼「俺は休みが増えますように！」それ高さと関係ないから(笑)。

いよいよ本日のメインディッシュ、「もう１つの東京タワー」をご拝見。彼もテレビで見たことがあるらしく、生の「もう１つの東京タワー」に感激しているよう。ここで彼の「…今まで誰かと見たことあるの？」という分かりやすい探りがはいった。もしかして嫉妬してくれてるのかな？いつもならついつい見栄を張ってしまう私だけれど、彼には嘘をつきたくない。「初めてだよ」「…そっか」

彼「タワー大神宮でお願いしたことだけど、さっき言ったの嘘」私「えっ？」彼「…ホントは、気になってる女の子とうまく行きますようにって願ってた」私「…」彼の顔を覗き込むと、緊張のためか少し震えていた。これはもう、私の勘違いじゃないって確信していいの？

さっきの彼の告白もどき（？）に、恥ずかしくなってうまく応えられなかった私。あそこで「私も同じこと思ってた」って言えていれば、今頃は彼氏彼女として食事を楽しんでいたかもしれない。でも、付き合う前のこのドキドキも、もうちょっと楽しんでいたかったり…。

まず頼んだのは「真鯛のカルパッチョ」（1,300円）。う～ん美味。

そういえば、今日はお酒を飲んでいなかったことを思い出す。いつも初デートの時は緊張してお酒を飲んでごまかしていたのに。それだけ彼とは自然体でいられるってことなんだと改めて実感。

いよいよお待ちかねのピザが登場～。注文したのはBiBiビビ（1,850円）。トマトソースベースで、モッツァレラとエビ、ズッキーニ、アンチョビ、クッパー、オレガノなど具だくさんが嬉しい。おいしそうに食べる女の子が好きと言っていたから、遠慮せずピザに齧りつく。「ホントにおいしそうに食べるな～(笑)」

きっと彼は私の返事を待っている。頑張って勇気を出すから、このピザを食べ終わるまで待っていてね。

【筆者プロフィール】山田みるく。肉食系女子が増えてきている世の中ですが、まだまだオクテ系女子だって存在しています。そんなオクテ女子を好む男性のために、オクテ女子の生態を伝えるべく活動しています。 blog→「オクテ女子と恋したい男子のための恋愛指南コラム」（http://skydrive1990.blog.fc2.com/ ）