大人の吉祥寺案内。老舗酒場「いせや」とハモニカ横丁酒場「万両」、「ささの葉」を巡るはしご酒コース!

大人の吉祥寺案内。老舗酒場「いせや」とハモニカ横丁酒場「万両」、「ささの葉」を巡るはしご酒コース!
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JR中央本線と京王線が乗り入れる吉祥寺は、相変わらず住みたい町ナンバーワンらしい。パルコに手芸用品のユザワヤ、”メンチ行列”で知られる肉屋のサトウ。そして戦後の闇市の姿をそのままに残した「ハモニカ横丁」もある。町のなかでも僕は井の頭公園が好きだ。週末には多くの路上アーティストが集まって祭りのようなにぎやかさだ。一人で緑溢れる園内を散策し、ゾウのはな子を眺めたりしたい。【東京おでかけ】

夜からスタート

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吉祥寺のアイドル、ゾウのはな子は高田純次と同い年

吉祥寺のアイドル、ゾウのはな子は高田純次と同い年
吉祥寺駅

吉祥寺に行くなら、ゾウのはな子を一目見たいと言ったところ、「ぬぬぬ? おぬし、さては熟女好きか」と妻が言う。……ぬぬぬ、はないだろう。はな子は67歳で妻が最も尊敬する高田純次と同い年らしい。日本でもっとも長寿なゾウだ。しかしデリケートな性格で、一日中お客にお尻を向けていることもある。つぶらな瞳をしているが「怒ったときのキック力はまじハンパない」と妻が言う。どうやら僕とは違う視点で勝手にシンパシーを抱いているようだ。チャンスがあれば、そんなはな子にも食べさせてやりたいものがあると言って、妻が向かったのは老舗の焼き鳥屋「いせや」であった。

老舗焼き鳥屋の名物は串ではなかった!?「いせや」

老舗焼き鳥屋の名物は串ではなかった!?「いせや」
いせや総本店

「いせや」は吉祥寺がオシャレタウンになるずっと以前、昭和2年に肉屋から始まった超老舗の立ち飲みだ。本店と公園店は去年建て替えて昔の趣きはなくなったが、立ち飲み好きの妻は相変わらず公園店を贔屓にしているようで、何より昼の12時から開いているところがスバラシイのだと鼻の穴を膨らます。僕が汗だくで営業先を駆け回っている間、こやつはここで優雅なランチ酒をしているのだ。いいご身分ですね、と小声で精一杯の嫌みを言うも、「ここは焼き鳥以外に二大名物があるのだ」と妻が威張って言う。

妻が言う名物は、肉汁ほとばしる巨大なシュウマイ(3個330円)と丸々一本で出てくる焼きとうもろこし(250円)だった。

悔しいことに、香ばしいとうもろこしにかぶりついたとたん、日常景が変わった気がした。ケの日をハレの日に一変させるこの祭り感……。さすがは、「毎日が土曜日」がスローガンの妻のおすすめだ。

梅シロップで飲む表面張力の魔性の一杯

カウンターにおいている梅シロップを注入する

焼き場では、中生模様の手ぬぐいを頭に巻いた強面のボスが、「あいよう!」と低い声を張りながら串を焼く。煙が立ち上る店内。コップ一杯溢れんばかりの焼酎に、卓上の甘い梅シロップ(これはタダ)を入れればもう今にも太鼓の音が響いてきそうなエモーションが僕のなかに巻き起こった…!

おじさんの背中を眺めながら飲む横丁酒場「万両」

おじさんの背中を眺めながら飲む横丁酒場「万両」
万両

僕は本当は酒がそう強くはないノダ。妻に弱いことを悟られぬよう懸命に生きているノダ。すっかり千鳥足の僕をおいて妻が目指したのはハモニカ横丁だった。

全面ビニールカーテンで覆われたこの店のカウンター席は、最前列をS席とすると後列にA席がある二重構造だ。妻がビニールの隙間からぬうっと顔を出すと、「ここ座りな」とS席のお客がA席にスペースを作る。元気良く妻が「瓶ビール!」と叫ぶと、前列のおじさんが「はいよ」とバケツリレー式にパスして来る。

「つまみを選ぶのにも冒険心を忘れない」煮物、焼き物、刺身なんでもアリの居酒屋だが、僕は慎重にアンパイなポテサラ(400円)を選んだ。

妻は「なにごとも冒険だろ?」と言って、”ねぎマグロ団子”(500円)なる謎めいたい料理名の一品をチョイスする。僕より年上の妻は「私を看取ってね」が口癖だが、こういう人のほうが絶対に長生きをするのだ。団子は、なんというか……じつにお腹にたまる不思議な練り物で一つ食べた妻は「あとはユーにあげる」と皿をまわしてきた。店主の奇妙な口癖、「じゃんじゃんばりばり~!」を妻が隣で真似始めたのを機に慌ててお愛想を頼む。

明日を捨てても飲むべき酒とは……?【ささの葉】

明日を捨てても飲むべき酒とは……?【ささの葉】
ささの葉

横丁の中でも老舗のこちらは創業40年。メニューも値札もどこにもない、というところに僕は静かに狼狽するが、妻は「世の中のお金は結局とんとんで回ってる」というとんとん信者であり、そのへんに頓着がないの誇りとしているようだが、お財布担当はいつだって僕である。

「ここに来たら刺身アンド司牡丹」と言う。ふだん、日本酒は正気を失うからと(飲まずとも失っている)禁じている妻であるが、ここの司牡丹だけは明日を捨てても飲むと言う。カウンター席は5人掛け。外にはテーブル席が一つの小さな店だ。

和製サンタクロースのような店主は映画に出てきそうな温和で味わい深いキャラだった。

ガラスケースの中には刺身などが皿に盛られている。獲物を狩るがごとく、中を睨む妻が「これは何?」と桜色の薄いお肉の盛りを指差す。「アイスランドからやって来たシロナガスクジラの薫製。ふぉんと、美味しいのよぉ~」と店主が歌うように言う。盛りのよさにひるみ「ハーフで…」と僕がつぶやきかけるのにかぶせて、「これ一皿ください」と妻が言う。ここには小盛りなど存在しない、のだそうだ。

ファミリー四代が通う名店なのである クジラは信じられないほど旨かった。フレッシュかつ後味にクジラらしさ薫りがふわりとが広がる。あっと言う間に妻と僕が、7対3の割合で完食した。司牡丹は東京にも流通しているが、ここで出すのは地元高知でしか出回らない貴重な種類のものらしく、とぅるとぅる喉に入って行く。妻は上機嫌だ。隣席にはなぜか小さな女の子がおでんの大根ばかりをもりもり食べていた。「こちらはおじいちゃんの代からもう四代で通ってくれてるよ」と店主が言う。「へ~。お嬢ちゃん、大きくなったらお姉ちゃんと一緒に飲もうよね♡」と言う妻の笑顔に、子供が静かに怯える。大トラに永遠に現役だ。気をつけろ……!

ちなみにハモニカ横丁の共同トイレは、それぞれの店から鍵を拝借して入ることができる。掃除が行き届いたきれいなお手洗いだ。ふたりでクジラをアテにビールと日本酒、紹興酒を痛飲し、しめて4800円。「10月には祭りがあるよ。御神輿担ぎたかったらうちにおいで」というサンタ店主に、大トラが「いやっふぉ~!」と謎の歓声を上げた。「あなたのおうちはあちらですヨ…」僕は酔っぱらう妻の背中をそっと力を込めて井の頭公園内の動物園方面に押した。

Finish! Nice outing!

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Guide

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