【野々市】地元ガイドさんの案内で北国街道の歴史と銘菓を楽しむコース

石川県のほぼ中央に位置する野々市市は、住みやすさランキングでも毎年上位になる便利で活気ある街です。2011年に町から市になった若い市ですが、かつては北国街道の宿場町として栄え、室町時代には加賀国を支配した守護の富樫氏の館が置かれ、加賀の政治・経済の中心だった歴史ある地です。今回は土・日曜限定で案内してくれる地元のボランティアガイドさんの案内で、北国街道の歴史情緒が残る本町エリアで歴史&グルメを楽しみたいと思います。

昼からスタート
【13:00】「1の1 NONOICHI」で待ち合せ&旅の情報集め

https://www.1no1nonoichi.com
2019年4月に「にぎわいの里ののいち カミーノ」の民間棟としてオープンした「1の1 NONOICHI」は、カフェや物販コーナー、観光案内のほか、創業支援を行うシェアオフィスとシェアキッチンを備えたコミュニティースペースです。入口を入ってすぐ左手に観光案内デスクが設けられ、野々市や周辺市町村の観光パンフレットやイベント情報などを収集できます。 1の1NONOICHI 石川県野々市市本町2-1-21 にぎわいの里ののいち カミーノ内 TEL 076-259-1167(1の1食堂)/TEL 076-248-7332(野々市市観光物産協会) [営]9:00〜20:00(カフェ・物販 9:00〜18:00/1の1食堂 11:00〜19:30LO/シェアキッチン 10:00〜16:00) [休]月曜(祝日の場合は営業) [駐車場]カミーノ駐車場

店内入口には野々市はもちろん、周辺市町村の観光やイベント情報のパンフレットが各種あります。

2019年のオープン以来、土・日曜には観光ボランティアが常駐していた「ののいち観光インフォ」のカウンター。2021年から観光ボランティアによる町歩きガイドの受付・発着は「1の1 NONOICHI」から徒歩5分ほどの「喜多家住宅」に移転しました。

今回は歩けるコースなので使いませんでしたが、レンタサイクルを2時間200円から借りることができます。天気のいい日は足を伸ばしてサイクリングを楽しむのもおすすめ。普段は車で移動している地元の人も、違った視点で街を見ることができますよ。
【13:10】「喜多家住宅」からガイドさんと一緒に「旧北国街道」歩きへGO!!

https://www.1no1nonoichi.com/sightseeing.php
2021年から、野々市の観光ボランティア「ののいち里まち倶楽部」の北国街道・町歩きガイドの発着・受付窓口が国指定文化財「喜多家住宅」になりました。周辺の本町地区は、北陸地方を縦走する主要街道「北国街道」が通り、金沢から京都方面へ向かう最初の宿場町「野々市宿」として栄えた場所で、趣ある町家も多数残る魅力的な町並みのど真ん中にあります。 この辺りは、室町時代に加賀国を支配した守護の富樫氏の館が置かれ、加賀の政治・経済の中心地でもありました。加賀藩の時代には宿場に荷物を運ぶための人や馬を常備させ、京都方面へ向かう旅人を野々市で見送ったり、金沢城下へ入る前に野々市で着物を着替えたという話も伝わっています。 北国街道 野々市宿 観光案内所 野々市市本町3-8-10 喜多家住宅内 TEL 076-248-1160(喜多家住宅) [営] 9:30〜15:30(土・日曜はガイド常駐、平日のガイドは電話で要予約) [休]月曜(祝日の場合は翌日) [料]無料 [駐車場]17台

ガイドさんの説明を聞きながら歩くと、街の景色が違って見えてきます。

北国街道沿いにある「白山神社」。境内には江戸時代から大正時代にかけて、村の若者たちが持ち上げては力自慢をした「盤持ちの石」もあります。

旧北国街道沿いに建てられた石柱が所々に見られる。散策のお供には「野々市本町てくてくマップ」があると便利。観光インフォで印刷されたMAPも入手できます。 http://www.nonoichi-kanko.jp/uploads/pages/152836541650963300.pdf

街道沿いの古い町家の瓦には、火事や災難を避けるためのおまじないで水や宝珠などが描かれています。文化財に指定されている町家が何軒もあり、中には内部を見学できる建物もあるのでガイドさんに相談を。
【13:30】街角の和菓子店「いそや菓子舗」でちょっと一服

本町2丁目の交差点にある和菓子屋さん「いそや菓子舗」。このお店では人気の「みたらし団子」「酒まんじゅう」のほか、野々市の市花木である「椿」をかたどった紅白の「椿まんじゅう」もおすすめです。野々市市の名産であるキウイを使った「キウイ大福」も、緑色の外見にびっくりしてしまうけど、甘酸っぱいキウイと餡子がベストマッチ! 見つけたらぜひ食べて欲しい逸品です。 いそや菓子舗 石川県野々市市本町2-15-6 TEL 076-248-0154 [営]7:00~19:00 [休]日曜 [駐車場]あり

地元ファンが多い「みたらし団子」(2本260円)は、もちもち食感の団子と、香ばしい焼き色、甘じょっぱいタレがたまらない。

クリーム入りの「生どら焼き」(270円)は、冷やして食べるのが美味!
【13:40】囲炉裏の美しい灰形も必見「国指定重要文化財 喜多家住宅」

https://www.city.nonoichi.lg.jp/soshiki/9/2614.html
風情ある町家や蔵が並ぶ旧北国街道沿いにある「喜多家住宅」は、国指定の重要文化財に指定されている重厚な町家です。この辺りは明治24年(1891年)の大火でほとんどの建物が焼けてしまい、喜多家も一部を残してすべて焼失。現在の建物は、金沢市材木町の醤油屋・田井屋惣兵衛の主屋を買い求めて移築したもので、当時で築100年、野々市に移築してから100年、合わせて築200年を超える、金沢市内にもこれほど古い町家は残っていないという貴重な建築です。 国指定重要文化財 喜多家住宅 野々市市本町3-8-10 TEL 076-248-1160 [営]9:00〜17:00 [休]月曜(祝日の場合は翌日) [料]大人400円、子ども200円 [駐車場]17台

入口を入ると広い土間が奥まで続き、吹き抜けの天井が広がる空間に圧倒されます。喜多家は江戸時代に越前藩で武士をしていた家柄ですが、貞享3年(1686年)に野々市に移住して油の製造販売業を始め、代々「油屋治兵衛」を名乗っていました。明治時代からは酒造業に生業を変えて、昭和50年頃まで酒蔵を営んできた名残が所々に残っています。

土間の左手には御上(おえ=座敷のこと)があり、大きな囲炉裏が切られています。囲炉裏の中には、波をイメージした美しい灰形が描かれ、テレビや新聞、雑誌などでも度々取り上げられます。この囲炉裏を目当てに訪れる人も多い目玉スポット。

靴を脱いで座敷に上がると、庭に面した茶室、金沢城下町が描かれた掛け軸などが飾られた部屋からは、豊かな商家の暮らしぶりを垣間見ることができます。二階も見学できるので、ぜひ階段も登って隅々まで見学を。

土間をまっすぐ奥へ進むと、造り酒屋を営んでいた頃の名残の道具が展示されています。
【14:00】銘菓「勧進帳」の味を受け継ぐ「もなか専門店 ふがく堂」

「ふがく堂」は、「喜多家住宅」のお隣にある和菓子屋さん。芳ばしい最中の中に特製のうぐいす餡と風味豊かに炊き上げた和胡桃をはさんだ巻物型の最中菓子「勧進帳」(180円)は、野々市の歴史もたっぷり詰まった銘菓です。 この「勧進帳」は、歌舞伎の演目で有名な「勧進帳」をモチーフにした最中菓子で、加賀の守護・富樫氏の後裔と伝わる「樫田冨嶽堂」が長年この地で作り続けてきました。その歴史と伝統を引き継ぎ、2021年2月に「ふがく堂」としてリニューアルオープンし、伝統のうぐいす餡のレシピと製法が、そのまま受け継がれました。今後も変わらぬ味が楽しめると共に、これからは季節メニューの餡子も登場するそうなので楽しみです! もなか専門店 ふがく堂 石川県野々市市本町3-8 TEL 076-248-0306 [営]9:00〜17:00 [休]月曜 [駐車場]2台

歌舞伎の人気演目「勧進帳」では、源義経と家来の武蔵坊弁慶が山伏姿に扮して奥州へ逃れる途中、加賀の安宅の関で関守・富樫左衛門に見咎められ、機転をきかせた弁慶が巻物を勧進帳と偽って読み上げます。野々市ゆかりの富樫は、そんな弁慶の必死な姿に心を打たれて、正体を見破りながらも関所を通る許可を出すという物語です。

新作の「さくら」「てんさい糖」が新登場! 定番のうぐいす餡が入った「まっちゃ胡桃」と季節の最中を組合わせた3色丸箱入りセットもできました。「難関突破」の験担ぎにもおすすめです。
【14:10】「野々市市郷土資料館(旧魚住家住宅)」と「六日町かふぇ」

https://www.city.nonoichi.lg.jp/soshiki/40/2636.html
「旧魚住家住宅」として野々市市の指定文化財となり、郷土の歴史や人々の暮らしの様子を伝える郷土資料館として使われている町家。入館無料で見学でき、散策の休憩にも利用できます。建物は幕末の安政年間に現在の白山市に建てられた農村の商家建築で、明治時代に魚住家が購入して野々市に移築されました。通りに面したミセノマの土間では、土・日曜限定でカフェ「六日町かふぇ」もオープンします。 野々市市郷土資料館(旧魚住家住宅)/六日町かふぇ 石川県野々市市本町3-19-24 TEL 076-246-2672 [営]9:00〜17:00 [休]月曜・祝翌日、年末年始 [料]入館無料 [駐車場]17台

表構えが平入りの町家で、囲炉裏のある御上(オエ)からは妻入構造で田の字型になった商家と農家の特徴を持つ独特な複合建築。建物の奥にある展示棟では、生活道具の展示のほか、古くから発展してきた野々市の歴史や、加賀国の守護としてこの地を拠点に治めていた富樫氏のことも学べます。

気さくなママや常連さんとの会話も楽しい「六日町かふぇ」で、周辺の観光情報をGETするのもいいかも。

丁寧に淹れられた「コーヒー」(400円)のほか、ジュース、スイーツ、軽食なども楽しめる。
【14:30】スタート地点に戻ってゴール!

https://www.1no1nonoichi.com
北国街道の本町エリア散策のゴールは、再び「1の1 NONOICHI」のある「にぎわいの里ののいち カミーノ」。駐車場に車を停めたまま周辺観光ができるので便利です。 1の1NONOICHI 石川県野々市市本町2-1-21 にぎわいの里ののいち カミーノ内 TEL 076-259-1167(1の1食堂)/TEL 076-248-7332(野々市市観光物産協会) [営]9:00〜20:00(カフェ・物販 9:00〜18:00/1の1食堂 11:00〜19:30LO/シェアキッチン 10:00〜16:00) [休]月曜(祝日の場合は営業) [駐車場]カミーノ駐車場

野々市の旬スポットとして人気の「1の1 NONOICHI」は、待ち合わせに利用するにも最適なランドマーク。散策の前に食事をしり、散策後の休憩にカフェを利用するのもいいでしょう。

物産コーナーでは野々市市内を中心に、スイーツや雑貨などをセレクト販売しています。今回訪問した「いそや」「ふがく堂」のお菓子もあり、ほかにも人気の洋菓子店のスイーツや野々市に本店がある「チャンピオンカレー」のレトルト、「1の1 NONOICHI」のオリジナルグッズなどをお土産に買って帰るのもおすすめです。
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